子宮がん検診
子宮がんには子宮頸がんと子宮体がんがあり、最近は比較的若い年齢層にも子宮頸がんがみられるようになりました。子宮がん検診は、がんだけでなく子宮筋腫や卵巣嚢腫などの病気を発見する機会でもあるので、今まで子宮がん検診を受けたことがない人も、ぜひ一度検査を受けてみましょう。
子宮がん検診の流れ
受診前日まで
まず予約をする時は、検診日が生理期間と重ならないようにしましょう。また現在妊娠中であったり妊娠の可能性があると受けられない検査項目があるので、予約時に必ずその旨を伝えましょう。子宮がん検診の場合は、食事や飲み物についての制限はありませんが、暴飲暴食や過度の飲酒は避けて十分な睡眠をとり体調を整えましょう。
問診
事前に記入した問診票をもとに、気になる症状やふだんの生活について話をします。
ここでは女性特有の病気以外の症状についても遠慮しないで話しましょう。
内診
内診台に上がり、婦人科医が子宮頸部や膣の内部に出血の有無やびらん(ただれ)などがないかを調べます。
子宮頚部細胞診
内診台に上がった状態で、婦人科医が子宮頸部を綿棒などで軽くこすって細胞をとります。細胞採取は2~3分程度で終わり、痛みもほとんどありません。ただし妊娠中の人や採取箇所にびらんがある人は、軽い出血を起こすことがあります。
経膣超音波(エコー)検査
使い捨てのキャップをかぶせた細い超音波器具を膣内に挿入して、はね返ってくる超音波を見ながら子宮の状態を調べます。この検査では子宮頸がんや子宮体がんだけでなく、子宮筋腫の有無、卵巣嚢腫なども一緒に見ることができます。この検査も婦人科医が行います。
診断結果
後日、医院にて検査結果の説明を致します。
検査の結果、精密検査が必要な場合は、改めて疑わしい部位の細胞を採取して調べる生検を行います。
子宮がん検診のQ&A
- どんなときに受ける?
- 性交経験が1回でもあれば、10代でも毎年受けてほしい検査です。
- どんな検査?
- 子宮の入り口付近の子宮頸部の粘膜面に発生するがんが子宮頸がんで、性交渉で感染するヒトパピローマウイルス(HPV)が原因で起こることがわかっています。子宮頸がん検診は、子宮頸部の粘膜細胞をこすり取り、顕微鏡で調べる検査で、子宮頸がんを早期に発見するための検査です。また、現在は細胞診のほか、HPV検査も行われるようになりました。これは、自分がどの程度子宮頸がんにかかるリスクがあるかを調べる検査で、自分が子宮頸がんを引き起こしやすいハイリスクタイプのHPVウイルスを持っているかがわかります。
- 検査の方法は?
- 内診時に、子宮頸部を専用の綿棒やブラシでこすり取って細胞を採取します。採取した細胞を顕微鏡で観察して異常の有無を調べます。痛みや出血もほとんどありません。
卵巣検診(エコー検査)
卵巣検診のQ&A
- どんなときに受ける?
- 婦人科の診察や検診には欠かせない基本の検査です。
20歳ころから1~2年に1回は検査を受けましょう。
- どんな検査?
- 超音波を体にあてて、はね返ってくるエコー(反射波)を画像化して、子宮や卵巣などの臓器の状態を調べる検査です。
- 検査の方法は?
- 指の太さほどのプローブを直接腟内に入れて行う経腟(けいちつ)法です。
経腟法では観察したい臓器(子宮、卵巣、卵管)までの距離が近いので、鮮明に子宮や卵巣の状態を観察できます。経腟法は、ふつう内診に続けて、内診台の上で行われます。性経験のない女性は、経直腸(肛門からプローブを挿入する)方法で検査を受けることもできます。他院にてMRIをとっていただくこともあります。
- 検査で何がわかる?
- 子宮や卵巣の位置、大きさ、子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)や子宮内膜(しきゅうないまく)の異常、卵巣腫瘍(らんそうしゅよう)の有無やその種類、妊娠の有無、子宮周囲にたまった腹水や血液の有無、排卵の予想など、たくさんのことがわかります。
また、妊娠中は超音波検査で赤ちゃんのようすをみていきます。レントゲンやCTなどの検査ができない時期ですので、超音波はとても有用な検査です。
ふつう子宮がん検診は、超音波検査は入っていません。今や婦人科の超音波検査は、現代女性に多い子宮筋腫や子宮内膜症、卵巣のう腫(しゅ)など、子宮や卵巣のトラブル・病気を知るのに欠かせません。超音波機器の発達で、子宮や卵巣の中まで詳しくみられるようになりました。
痛みもなく、簡単に安全にでき、自分でもリアルタイムで子宮や卵巣のようすを確かめることができます。安心して検査を受けてください。